心理学

「食欲の秋」と心の関係

10月も半ばとなり、少し秋らしくなってきたでしょうか。「食欲の秋」という言葉があるほど、秋は1年の中で一番食欲が増す季節として知られています。なんだか秋に食べ過ぎてしまった、という経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

食欲の秋という言葉の語源には諸説ありますが、「天高く馬肥ゆる秋(秋の空は澄みわたり、馬も肥えるくらい過ごしやすい季節)」という言葉から来ている説や、多くの農作物が収穫時期だからという説が有力とされているようです。夏の暑さを乗り越えて収穫を迎えた秋の食材は、確かにほかの季節に採れるものと比べて旨味が多いと言われています。作物の豊富さや質の高さから「食欲の秋」と呼ばれるようになったとしても不思議ではありません。そう考えると、単純に食べ物がおいしくて食べ過ぎてしまう、ということもありそうです。他にも、冬に向けて栄養を蓄えるために食欲増加するという考えもあります。

そしてもう一つ、セロトニンが関係しているとも言われています。人は、太陽の光を浴びると「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌が活性化します。夏に比べ、秋になると日が短くなり太陽の光を浴びる時間も短くなります。その結果、セロトニンの分泌量が減っていきます。実は、セロトニンには満腹感を感じさせ、食欲を抑制する作用があります。おいしい物を食べると「もっと食べたい」と感じますが、これは脳内から「ドーパミン」が分泌されることが原因です。セロトニンには、このドーパミンの働きを抑える作用があるため、食欲を抑制するわけです。つまり、夏から秋にかけてセロトニンの分泌が減る、もっと食べたい!というドーパミンの抑制も減少する、その結果、食欲が増す可能性があるというのです。

さらに、セロトニンが減ってしまった脳は、それを増やすために糖質を欲して、甘いものが欲しくなることもよくあるようです。しかし糖質を摂取しすぎると、一時的に気分は良くなるものの、その後急激に血糖値が下がり、イライラや気分の落ち込みを招く原因になるとも言われています。

このように、食欲と心には関係性があることがわかりました。季節の変化で心と体が反応するのは自然なことです。食欲に勝つのはなかなか大変ですが、太陽の光を浴びたり、よく噛んで満腹中枢を刺激したり、軽く運動したりして、心地の良い秋を過ごしましょう。

関連記事