カウンセリング

感覚過敏について

こちらのブログでも何度か「感覚過敏」という言葉が出てきています。今回はこの「感覚過敏」について取り上げたいと思います。

「感覚過敏」とは、多くの人が気にならない程度の光、音、においなどが不快に感じたり、苦痛に感じることです。視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚、その他の感覚(例えば、温度感覚や平衡感覚など)において、刺激に対して過敏に反応してしまいます。

そもそも、感覚とは人それぞれであり、自分が感じている感覚と人が感じている感覚が同じとは限りません。したがって、本人は苦しいのに、周囲の人に気づかれにくい、共感されにくいということが起きてしまうのでしょう。

以前、ご相談にいらしていたお母さんも、自分の息子さんが、聴覚過敏があることに、中学生になるまで気づけなかったということを話されていました。小さい頃から、落ち着きがなく、大きなショッピングモールに行くと、走り回るため追いかけまわすのが大変だったようです。本人によると、「音が煩くて逃げようと思っていた」ということだったのです。このように、耳を塞いでくれたり、もしくは大泣きをしてくれたりなどの行動が見られれば感覚過敏を発見もできるでしょうが、年齢が幼いと、それとはかけ離れた行動をとるということも少なくありません。本人が成長して初めて「音が煩い」という聴覚過敏の事実が判明するのです。

「感覚過敏」は原因もはっきりしておらず、また病院で診断されるわけでもありません。もちろん、発達障害、脳の機能障害、その他、精神疾患などの症状の1つとして表れることもあります。また、これと言って効果的に症状が消失する治療法も見つかっていないのです。

ここまで書くと、今、感覚の過敏さで悩んでいる方は、がっかりしてしまうでしょうか。

以前、この「感覚過敏」とまさに共存、いえ、ライフワークとして取り組まれている方がメディアで紹介されていました。加藤路瑛さんは、自身の体験をもとに「感覚過敏研究所」という会社を立ち上げ、研究、執筆、講演と精力的に活躍されています。

加藤さんは著書の中で「感覚過敏を理由に〇〇を諦めたくない」ということを何度も繰り返していました。もちろん、苦手な刺激に晒されても立ち向かえという根性論ではありません。自分のやりたい、楽しみたい、目標を持ちたい、達成したいという前向きな力まで諦めないでほしいというエールなのだろうと思います。

今では、少しずつですが、聴覚過敏のある人には、イヤーマフ、ノイズキャンセリングイヤホン。視覚過敏のある人には調光レンズ、触覚過敏のある人には、縫い目やタグに工夫がされている衣類などが出てきています。また、SNSでは当事者が自分の工夫を発信もしてくれています。これからも、もっと自由に不便が軽く、和らぐような開発が進むことを願っています。

また、周囲の理解がもっと広がることも必要でしょう。学校の先生をはじめ、子供に携わる人には、ぜひ、この感覚過敏の知識は持っていてもらいたいと思います。そして、こんな風にしてみればいいのでは?という提案を積極的にしてほしいものです。それこそ、合理的な”配慮”だと思います。

最後に、加藤路瑛さんの「感覚過敏研究所」のホームページを載せておきます。

ここでは、感覚過敏の人たちが自由に交流できる「かびんの森」コミュニティもあります。

興味を持たれた方は一度、覗いてみてください。

・「感覚過敏研究所」  http://kabin.life/

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