カウンセリング

雨の日の心のケア

梅雨が近づき、雨が降る日も多くなってきましたね。この記事を書いている今も、冷たい雨が降っています。「雨の日」ということもあってか、以前に読んだ臨床心理士・東畑開人さんの『雨の日の心理学』という本をふと思い出しました。心のケアについて、一般の方にも分かりやすいように書かれていてとても読みやすい本でした。

この本に出会った当時も、私は今のようにカウンセラーをしていましたが、自分のケアをおろそかにしてしまい、体調が優れない日が続いていました。周囲はどんなふうに自分をケアしているのか、そもそもケアをするとはどういうことなのかを考える日々。知り合いから相談を受けたときに、話を聞くだけであまり力になれなかったと感じて後悔したり、自分がやっている仕事でさえ意味があるのかと感じることもありました。そんなときにこの本に出会い、専門用語では知っていたことも、本当の意味では理解できていなかったことを知りました。

心のケアってなんでしょうか。私たちは元気なときにも自然と誰かにケアされ、自分も誰かをケアしているそうです。挨拶を交わしたり、雑談をしたり、一緒にご飯を食べたり。こういう日常の些細なこともケアなのだそうです。メンタルが安定しているときにはこのようなケアがスムーズに行き届いている状態です。しかし、メンタルが不安定になるとこのようなコミュニケーションもスムーズにいかなくなります。元気なときに聞く「がんばってね」と落ち込んでいるときに聞く「がんばってね」では受け取り方が異なるでしょう。こういうときには、メンタルが安定しているときのケアで対処してもうまくいきません。寒い日にコートを着たり、雨の日には傘を差すように、メンタルが不安定なときにはそれに合ったケアをすることが必要なのです。

よく、「話を聞いてもらうだけで楽になる」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。メンタルが不安定なときには「孤独」を感じていることが多いようです。この本の中で東畑先生は「心はぷるぷるのゼリーのようなもの。話をきいているときは言葉だけでなくゼリーが相手から注ぎ込まれる」と表現されています。そうして共感してもらうことで、1人じゃないと感じることができ、話し手の孤独は癒されていくそうです。ぜひ心の余裕があるときには、身近にいる大切な人の話に耳を傾けてみてください。そうして大切な人と過ごせる時間を大事にしていきたいですね。他にも興味深いテーマがいくつも書かれていたので、東畑先生の『雨の日の心理学』もぜひ読んでみてくださいね。

【参考文献,URL】

・『雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら』著:東畑 開人,角川書店,2024.9

・好書好日『東畑開人さん「雨の日の心理学」インタビュー 弱音を吐きづらい? まず一歩踏み出してみよう』2024.10.17(https://book.asahi.com/article/15462751)

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