6月の梅雨の時期、見上げれば曇天だったり、雨が降ったりとすっきりしない。しかも雨の中の外出はストレス以外の何ものでもない。憂鬱感を感じる今日この頃ですね。しかし、目を閉じ、耳を澄ませば、規則正しい雨音がし、嗅覚に意識を向ければ、雨の気配を感じさせる匂いがするはずです。そして、そのまま意識を集中させていると不思議と気持ちが落ち着いてくるものです。
さて、今回は「マインドフルネス」という考え方をご紹介したいと思います。「マインドフルネス」とは、「今、この瞬間の体験に気づき、ありのままにそれを受け入れる方法」のことです。例えば、朝、コーヒーを飲むときに、ただ飲むのではなく、その香り、温度、口にしたときの味など五感を使いじっくり味わうところを想像してみてください。コーヒーを飲むという行為、その目の前のことに注意を集中している状態だと言えます。マインドフルネスを身につけると、まず、精神的な安定が得られると言われています。不安やストレスといった負の感情から解放され穏やかな状態が維持できるのです。
さらに、精神的な安定が得られることでストレスや不安が原因である身体的な不調も緩和されるでしょう。また、注意を集中できることから、仕事や勉強のパフォーマンスが上がることも報告されていますし、日常生活では、自身の感情に振り回されることなく冷静でいられるため、人間関係も良好になりやすいとも報告されています。
まるでいいところだらけのマインドフルネスですが、実践方法としては、「マインドフルネス瞑想法」というものがあります。できるだけ背筋を伸ばして座った状態で、目を閉じる、もしくは半開きのまま、ゆっくり自然な呼吸を心掛けます。瞑想中に浮かぶ考えや感情があるでしょうが、そのことを深追いすることなく、そのまま浮かばせているようなイメージで、呼吸に意識を向け続けます。これを5~10分ほど続けます。
私自身も実践してみましたが、「思考や感情を深追いすることなくそのままにする」というところが難しいなと感じました。ご紹介した方法以外にも、“食べる瞑想法” “歩く瞑想法”というものもあるようです。嗅覚、味覚、視覚などに意識を向け、食べること(歩くこと)に集中すると同じような効果が得られるようです。
今、この瞬間に意識を集中して、ありのままの状態を受け入れるということがマインドフルネスなのでしょう。それならば、この季節の雨音に耳を澄まし、匂いを感じてみても同じような効果が得られるのでは?と思います。皆さんも取り入れられる方法で試してみてください。また、より深く探求したい方は色々な実践本も出ていますので、自分に合いそうなものを選んでみてください。