心理学

片づけで心にもスペースを

新年度が始まり、1カ月が経とうとしています。この時期は新しい環境に慣れることで精一杯で身の回りの整理に手が回らないという人もいるのではないでしょうか。私はもともと片付けが苦手で、余裕がなくなると部屋が散らかってしまいがちです。そこで、片付けにまつわる心理的な影響について気になったので調べてみました。

片づけとは「散乱したものを本来あるべき場所へ収め、秩序正しい状態に整えること」です。「不要なものを処分すること」も意味に含まれます。柴田・中村(2018)の論文で、ものを捨てられる人は「視覚的な不快感が大きなモチベーションになっている」「他者のものと自分のものの区別がある」「捨てる基準が明確である」ことなどが示されていました。一方でものを捨てられない人は「人のものなのか自分のものなのかを認識できていない」「多くのものを所有し、そこに気持ちの重さも加わって片づけを回避してしまう」「ものに価値を置きすぎている」可能性があることが示唆されていました。

片付けが苦手な人やものをなかなか捨てられない人は、まずはこれらのことに気づくことが大切です。部屋の写真を撮って客観的に見てみることや、どこからどこまでが自分のものなのか自分が管理する範囲を知ること、捨てる基準を明確にすることなどが必要なようです。また元井(2020)によると、満足のいく片づけが出来たかに関わらず、片づけをすること自体がwell-being(身体的、精神的、社会的に満たされた「良好で幸福な状態」を指す概念)を高めるのだそうです。片づけをすることで身体にも心にも、社会で生活する上でも良い効果があるようですね。

では、具体的にどのように片づけを始めれば良いのでしょうか。必要なステップは次の4つです。
①片づける場所にあるものをすべて出す:こうすることで何がどれくらいあるのかを把握します。
②使うものと使わないものに分類する:ポイントは「使うか使わないか」で判断するところです。「まだ使えるもの」で判断してしまうと残すものが増えてしまうので1年以上使わないものは処分するなどの基準を設けて判断しましょう。
③使うものを分類する:使用頻度やカテゴリーごとに分けて、定位置を決めましょう。
④定位置に片づける:③で決めた定位置に収納していきましょう。分かりやすいように目印やラベルを貼っておくのも良いですね。

最近、冷蔵庫の中を整理しました。心に余裕があるときに1箇所ずつ片づけ始めています。片づけてきれいになった場所を見ると、達成感を感じたり、心に余裕ができるような感覚があります。新年度、片づけをして環境にも心にもスペースを確保できたらいいなと思います。

【参考文献、URL】

・柴田・中村(2018):『モノを捨てることをめぐる心理過程-捨てられる人と捨てられない人へのインタビューから-』柴田陽子・中村俊哉、福岡教育大学紀要、第67号、第4分冊、pp.71-89、2018

・元井(2020):『片づけ行動の心理学的研究-青年後期と成人初期を対象とした検討-』、元井沙織、目白大学大学院心理学研究科心理学専攻博士論文、2020

・一般社団法人「日本整理収納協会」片づけお役立ちコラム(https://jsa-s.com/column/katadukekotsu/ )

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