「ルビンの壺」とは、1915年頃、デンマークの心理学者エドガー・ルビンが考案した多義図形です。一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。「人が向かい合っている絵」と「壺」が見えるのですが、どちらか一方(図)を見ようと意識していると、もう一方(地)が見えないのです。つまり、「図」と「地」を同時に意識することはできないということですね。ここで、「ルビンの壺」を心理学的に考えてみましょう。私たちも、物事の一面を見ていると、他の部分が見えないものです。「悪いところ(図)ばかり見ていると、よいところ(地)が見えなくなってしまいます。」もちろん、逆も然りです。
対人関係で躓いたとき、追い詰められていると感じているときに、この「ルビンの壺」のことを思い出してみてください。「図」になっていることも、もしかしたら、「地」になるかもしれない。そして、そこに解決の糸口があったり、気持ちが穏やかになったりすることもあるでしょう。また、逆も然りですから、”良いことばかり!”と、浮足だってしまっているときには、”いやいや落とし穴もあるかも?”と、少し慎重に物事に取り組めるかもしれません。日頃から、「図」と「地」があることを心に留めて過ごしていることで、心にゆとりが持てるようになるのではないでしょうか。