カウンセリング

絵画鑑賞と心理的効果

私の中で印象に残ったゲームがあったのでご紹介したいと思います。『Sky‐星の子どもたち』というゲームです。私はスマートフォンでプレイしました。美しいグラフィックの中で、プレイヤーは星の子となり、ゲーム内のさまざまなストーリーを体験することができます。オランダの画家であるフィンセント・ファン・ゴッホの生涯をテーマにしたコラボストーリーが配信されていた時期があり、プレイしてみたのですがとても感動しました。フィンセント・ファン・ゴッホは、『ひまわり』や『星月夜』・『夜のカフェテラス』などさまざまな絵画を製作しています。今ではとても有名な画家ですが、生前はあまり評価されず、彼の死後にゴッホの弟の妻がアムステルダム市立美術館で彼の作品をまとめて展示した回顧展を開いたことがきっかけで、世界中に広まって有名になったそうです。

さて、心理療法の中には「芸術療法」というものがあります。絵を描いたり音楽を聴いたりしながら心を癒していくというものです。古くから芸術は鑑賞して楽しむだけでなく、神のような存在との交信や、精神の解放、魂の救済などに用いられてきました。現代においても、芸術療法は心理療法として重要な位置を占めています。その効果として、ストレスホルモンとも呼ばれる「コルチゾール」が減少したり、脳の「報酬系」と呼ばれる部分が活性化して幸福感を感じたり、不安やうつ症状が軽減したりすることを示す研究もあるようです。芸術鑑賞は心理的に良い影響を与えてくれるようですね。また、土中(2021)は絵画を見ることで生じる心理的効果にはどのようなものがあるのかについての研究を行いました。その結果、絵を見ることで想像力が活性化されてイメージが広がり、イメージにまつわる過去の体験が想起されやすくなることも示されていました。つまり、絵画を鑑賞することで、心が癒されるだけでなく、それにまつわる過去の体験から、自分について考えることもできるようです。

このゲームをプレイしている中でもゴッホのさまざまな作品に触れることができ、作品に刺激を受けて自分の過去の体験を少し思い出したりしながら自分について考えることができました。このゲームは本編ストーリーや、今回のようなコラボストーリー、季節ごとのストーリーもあるようで、他のストーリーもこれからやってみようと思っています。過去にはムーミンの世界を舞台にしたコラボストーリーも配信されていました。皆さんも時間があるときには、美術館やゲームなどでアート作品に触れて、心を癒したり、自分について考えてみてはいかがでしょうか。

 

【参考文献】

・土中(2021):「絵画鑑賞のイメージ喚起力に関する心理学的考察」,土中幸宏,徳島文理大学研究紀要第102号,pp67-76,令和3年9月

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