心理学

もったいない!の心理

秋は、食欲の秋、読書の秋、運動の秋といわれるくらいに色々なことを楽しめる季節ですね。「せっかくだし、本でも読もうかな~」と本屋に足を運ぶと、おすすめコーナーが目につきますよね。普段、興味のない分野でも、おすすめと言われたら気になるし、タイトルに惹かれてしまうと、つい買ってしまうことがあります。でも実際に読み始めると、「あれ?思ったのと違うな・・・」と思うこともしばしば。ここで読み続けるか、寝かせるか、手放すかの選択を迫られます。この時に「もったいない!」と思いが強くなり、頑張って最後まで読もうとしますが、内容は頭に入ってこないし、読み進めるのに時間はかかるし、何のために読んでいるのかが分からなってしまいます。

 

このような心理を『サンクコスト効果』と呼びます。「買ったんだから・・・」「頑張って読み始めたんだから・・・」「時間を使ったんだから・・・」とやめるにやめられない気持ちになることです。反対に考えれば、知り合いに借りた本や無料で読める本に比べると、読むことに対する真剣さが変わるため、買うことで「読まないともったいない!」という気持ちを作ることがメリットになることもあります。ただ、時間が無限にあるわけではないので、どこかで割り切ることも必要です。また、「読むかも・・・」と途中まで読んだ本を積み上げていくのも、心理的なストレスになりやすいです。『サンクコスト効果』に翻弄されないように、期限を決めて読み始めたり、途中までしか読めなかった本を半期に一回手放したりするとよいかもしれないですね。

 

色々な分野に触れたり、興味を持ったりすること自体は、とても大切なことだと思うので、目についたものを購入することは問題ではないと思います。ただ、「もったいない!」の気持ちが強くなり過ぎて、他の選択肢を選べなくなるとマイナスが大きくなってしまいます。これは本に限らず、『お金と時間』がかかる全てのことに言えることなので、「もったいない!」という気持ちになった時は、一度冷静に考えてみるのがいいかもしれません。

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