心理学

『相談室だよりあおぞら』2023年No.4を発行しました。

東京教育カウンセリング研究所では、東京文理学院の生徒に向けて定期的に『相談室だよりあおぞら』を発行しています。
先日発行したNo.4は、「暑さが与える影響」がテーマです。

【相談室だよりあおぞら No.4】

夏休みも明けましたが、まだまだ暑い日は続きます。クーラーの効いた部屋の中では気分が落ち着いていたのに、暑い場所ではイライラすると感じた経験が誰でもあるのではないでしょうか?そこで今回は、暑さが私達の心身と行動に与える影響について考えていきましょう。

暑さが与える影響

一般的には、20℃前後が一番快適だと言われています。25℃くらいから快適とは言えなくなってきますが、心身への影響はそれほどありません。しかし、30度を超える暑すぎる環境に置かれると、人は少々不機嫌になるどころか行動まで大きく変わってしまうと言われています。

『暑さは私達にどのような影響を与えるの?』

真夏日や猛暑日で気温が30度を超えてくると、暑さによる不快感の解消のために身体や心のエネルギーを費やしてしまうため、気分が安定せずトラブルも起きやすくなります。

【暑さが与える影響】

1. やる気と集中力

寒さよりも暖かい方が仕事や勉強、恋愛など様々な場面において行動的・積極的になると言われています。

しかし、暑いと一転。イライラしやすくなり、やる気や集中力の低下につながります。

2. 攻撃性

暑いと怒りやすくなりスポーツでもトラブルが増加。人を助ける行動も減るという研究結果が報告されています。暑いと余裕がなくなり、周囲への気配りが疎かになってしまいがちです。

3. 他人の印象

人は心地よい環境で会った相手を好ましく思う一方で、不快な環境で会った相手は好ましく思わない傾向があると言われています。暑さは対人関係に影響を与え、他者への評価を不当に下げる要因にもなります。

【対処法】

a. 涼める環境を用意しよう

日陰やクーラーの効いた部屋に行くなど、自分が快適になる場所で身体を涼めることで、イライラを減らしたり気持ちを落ち着けたりすることができます。休日は図書館を利用してみてもいいかもしれませんね。

b. 睡眠と食事をしっかりとって規則正しい生活を送ろう

体調不良の時は体温調整機能が低下して、熱中症を引き起こしやすくなります。健康的な生活を送り、体調を整えましょう。軽い運動とぬるめのお風呂は快眠を促してくれます。1日3回の食事で栄養補給もお忘れなく。

c.暑い日こそ冷静に行動しよう

暑い日は、余裕がなくなりついイライラしがち。突発的な行動からトラブルを招きやすくなります。行動する前にいったん冷静になり、行動の結果を想像してみましょう。LINEなどへの返信は特に注意が必要です。

夏は人を活発にさせてくれますが、30℃を超えると心も身体も不調を招きやすくなります。暑さでイライラするのは自分のせいだと思わず、暑さが気分に影響を与えていると考え、快適に過ごせるよう工夫をしていきましょう。そうすることで、暑さと折り合いをつけ仕事や勉強、人間関係においても良い影響が出てくると思います。

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