だんだんと寒さが厳しくなってきましたね。2023年も残すところあと1ヶ月。年末に向けて準備を進めている方もいらっしゃるかもしれません。
さて12月10日は何の日かご存知でしょうか。12月10日は国連が「人権デー」として定めている日です。政府・広報オンラインのホームページによると、「この日を最終日とする1週間を「人権週間」と定め、全国的に人権啓蒙活動を展開している」そうです。
身近な人権問題は具体的にどんなものがあるでしょうか。いじめや虐待、差別や偏見などさまざま挙げることができると思います。今回は「偏見」に焦点をあてて、人権について考えることの大切さをみていきたいと思います。
皆さんは気が付かないうちに偏見的な判断をしてしまった経験はありますか。日本心理学会の機関誌にあった唐沢かおり先生の解説によると、私たちは「ステレオタイプ(社会集団に対する固定的なイメージや信念のこと)」や「確証バイアス(自分の考えや信念が正しいことを確認するための情報を集めようとすること)」によって、自身でも気付かないうちに偏見的な見方をしてしまう心の仕組みがあるようです。「普通は~だ」という見方も、その一つでしょう。自分が思う「普通」は、他の人から見たら違うかもしれません。しかし、私達にはそれぞれに浸透した考え方があり、それが「普通のこと」と思い込んでしまうのです。それが、偏見や差別に繋がります。
では、このような心の仕組みがある中で、偏見や差別をどのように考えれば良いのでしょうか。先の記事では、この心の仕組みに「抵抗する意識を持つこと」が重要だと述べています。このような心の仕組みがあるのですから、心で思うのは仕方のないことだと思います。それを口にしたり行動にしたりする前に、その考えは偏っていないか、それを聞いた人がどのように思うかなどを少し考えてみるだけでも変わってくると思います。そのような意識を持つことで偏見や差別が広がるのを抑えることができ、人権問題を改善していくことにも繋がるでしょう。
人権問題について考える時間を持つことで、偏見や差別の知識を身に着けることができたり、自身について振り返ったり、人権を守るという意識を再確認したりできると思います。皆さんもこれを機に、ぜひ人権について考えてみてはいかがでしょうか。
参考URL:
・政府広報オンライン「月間・週間」-令和5年(2023年)12月-「人権週間」
(https://www.gov-online.go.jp/data_room/calendar/202312/event-1786.html)
・公益財団法人 日本心理学会 機関誌101号『「心理学ワールド」の楽しみ方-偏見の心理学-』(https://psych.or.jp/publication/world101/pw37/)