心理学

「600度の法則、400度の法則」

桜について、「600度の法則」、あるいは「400度の法則」というものを聞いたことがありますか?
どちらも桜の開花にまつわる法則です。
「600度の法則」は、その年の2月1日からの毎日の”最高気温”を足していって、累積が600度に達したときに開花するというものです。
「400度の法則」は、その年の2月1日からの毎日の”平均気温”を足していって、累積が400度に達したときに開花するというものです。
この記事を書いている3月7日の時点ではまだ桜は咲いていませんが、記事が公開されるころにはそれぞれの温度に達し、さらに少し経ち、見頃を迎えているのではないかと思います。

桜の開花に向けた気温の蓄積は楽しみな話ですが、心理学では、少し気をつけなければいけない蓄積の話があります。
アメリカの社会学者であるホームズと、内科医のレイによって作られた「社会的再適応評価尺度(SRRS)」というものです。
これは、人が生活している上で起き得るさまざまなライフイベントに”ストレスの点数”をつけ、「1年間のうちにその点数が一定以上蓄積すると健康を損なう可能性が高まる」ことを示したものです。
例えば、「結婚」を50点とし、これを基準に、「配偶者の死」が100点、「上司とのトラブル」が23点などとなっています。
ホームズとレイの研究では、1年間の合計が300点を超えた人々のうち79%が翌年に何らかの身体疾患を訴え、200?299点の人々の51%にも同様の訴えがあったことを報告しています。

春は桜の開花だけでなく、卒業、入学、進級、引越しなど多くの変化を経験する時期ですね。ライフイベント自体は喜ばしいものでも、”環境の変化”という意味では知らず知らずにストレスが蓄積しているかもしれません。
急ぎすぎず、十分なケアをしながら過ごしたいですね。

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