日々のこと・その他

よかった探し

いつのアニメだったかなと思い返していたら、何と36年前1986年に放送されていた「愛少女ポリアンナ物語」。苦難の日常の中にありながらも、その日々の中に小さな「よかった」を探す場面がありました。当時の自分自身は、日曜夕方のアニメを毎週見るという年齢でもなく、「大人の作ったきれいごと」と見る気にもなりませんでした。自分自身が社会の中で人間関係や生活に苦労していた時期でもあり、「現実はきれいごとじゃないんだよ」と日々を乗り越えていた時でもありました。そう、私はすでに社会人。自分が生きることに精いっぱいで気持ちに余裕もなかった。

ある日、社員旅行で(当時は会社で毎年旅行に行くことが会社の福利厚生の一環でした)先輩に愚痴っていたとき「いろいろあるよね。そんな時は、よかった探しをするんだよ。ポリアンナパパも言っているじゃない」と「愛少女ポリアンナ物語」を引用してきたのです。当時は少々面くらい「この人は何を言っているんだろうか」と思ったものです。「いいこと」なんかひとつもないと反発心までわきあがったりします。先輩は続けて「いろいろあって、苦しいことや辛いことが続いても、ちょっと嬉しかったり楽しかったりということがあるよね。苦しい辛いことがすぐに変わるわけではないけど、日々の中でちょっと良かったことに注目していくと、ほんの少し気持ちは楽になると思うんだよ」と生活の中の視点を少しずらして見ることを教えてくれました。その時は「へーそんなもんか」と聞き流していましたが、なぜか「よかった探し」は何十年も心の隅に残っており、気づけば良かったことを探している自分がいました。物凄く人生や生活が好転したとかお金持ちになるとかはなく、相変わらず辛かったりしんどかったりすることも多いのですが、その中でも「よかったこと」を見つけていくと、自分が生きていく光みたいなものがあって、生きていこうという強くもないけど地に足がつくような気持ちの安定があるような気がします。あの時の先輩とは会社を辞めて以降会うことはありませんが、人との繋がりの不思議さ大切さに感謝しています。

簡単だけど奥が深い「よかった探し」おすすめです。カウンセラーと一緒に探すこともできますよ。

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