モチベーションに関する研究報告は多く、モチベーションの維持・向上の重要性を説くビジネス書も多く出版されています。教育の世界でもその重要性は広く認識されていて、『いかにしてやる気を引き出すのか?』といった、モチベーションの問題は引きこもりや不登校生徒支援においても重要なテーマの一つになっています。
モチベーションには2種類の異なるタイプがあり、報酬や賞賛、そして罰など外部から与えられる要素が影響を与える外的モチベーションと、報酬などは必要とせず行為そのものが喜びとなり刺激となる内的モチベーションとに分けられます。一見すると自発的、自己完結的な内的モチベーションこそが理想的なように感じられるかもしれませんね。しかし実際は、どちらかが優れているといったことではなく、それぞれのタイプに利点があり状況に応じて有効性は変わってきます。
例えば、内的モチベーションは自発的なもので他者からの働きかけは難しいのですが、外的モチベーションは報酬や罰などにより働きかけが比較的容易におこなえ、短期的な目標達成を促す上でも有効だといわれています。しかし、外的な働きかけが常に効果的という訳ではなく、場合によっては、報酬や過度な賞賛が逆にモチベーションの低下を招くことになることも知られています。内的モチベーションが動機となっている場合は、干渉は控え自主性に任せるというのも大切になるということですね。
まずは相手のモチベーションの背景を知り、そしてそれに合った働きかけをする。それこそがモチベーターの条件であり、また相手の自主性を重んじる効果的なサポート方法でもあるように思います。
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