心理学

思い出は、『瞬間』と『終わり』で決まる?

3月は、冬から春への移行の時期です。4月から新しい年度に変わる準備期間でもあります。この1年間を振り返り、どう感じたでしょうか?学生の皆さんはテスト勉強や部活動、合宿行事など、いろいろな出来事を経験してきたことでしょう。「楽しかった!」と思うことや「大変だった!」と思ったことがいくつかあったかと思います。その思いは、何が決め手だったでしょうか?

人は出来事の評価を「最も印象的だった瞬間(ピーク)」と「最後の瞬間(エンド)」で決める傾向があると言われています。それがピークエンドの法則です。例えば、行きたくない合宿だったけれど、最後の夜に友達と笑いながら話をしたことがあれば、「あの合宿、意外と楽しかったな」と感じるかもしれません。その逆もあり、楽しい旅行でも最後に喧嘩をしてしまうと、「あの旅行は嫌な思い出だったな」となってしまうことがあります。この法則を知ると、日常の経験や学校行事をより良い記憶に残せるヒントが見えてくるかもしれません。

たとえば

①ピークを意識する:部活や勉強がつらい瞬間でも、「楽しさ」や「達成感」を感じられるピークを意識して作ること(例:部活の練習がつらい時、仲間と励まし合ったり、目標達成をみんなで喜んだりする瞬間を作る)

②終わりをポジティブにする:テスト勉強や部活動の最後に、ポジティブな出来事を意図的に作ることで、その経験の印象を良くすること(例:部活の練習後にチームで楽しい話をする時間を設ける)

などが考えられますね。

高校生活は様々な感情を持つ時期ではありますが、「ピーク」と「エンド」を意識するだけで、「いい経験だった」と感じられることがあります。毎日の生活に、このピークエンドの法則を取り入れてみてはどうでしょうか。

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