カウンセリング

園芸がもたらす心理的効果

突然ですがみなさん、何か植物を育てた経験はありますか?私は昨年のこの時期に小さな鉢植えで唐辛子と紫蘇を育てていました。紫蘇のほうは芽が出ずに終わってしまい、唐辛子は少し芽が出てすくすくと育っていたのですが、実らずに終わってしまいました。今年こそは、最後まで育て上げたいと思っている今日この頃です。

 

さて、こういった園芸活動は治療やセラピーの一環として、福祉や医療の現場などでも広く扱われています。当研究所でも、不登校やひきこもりの方を対象としたファームセラピーというプログラムを実施しています。では、園芸活動は心にどのような効果をもたらすのでしょうか。

日本園芸療法学会のホームページによると「人は自然や植物とかかわることでストレスが軽減すると考えられている」そうです。そのため心が癒されたり、植物の生を感じることで意欲を回復したり、育てた喜びを感じて自尊心を回復したりすることができます。また園芸活動では、植物を媒介として周囲の人とコミュニケーションを取りやすくなるため、社会性の向上も期待できます。

私も、昨年に植物を育てたときには芽が出ると嬉しくて、写真を撮って家族に見せたり、そこまで育てたことで自信がついたり、心が癒される感覚がありました。今回は1人で育てていたので最後まで育て上げることはできなかったのですが、園芸療法として、プログラムとしてやっていたら、専門家のサポートや周囲の参加者からの刺激もあって、より心や社会性に効果をもたらすのだろうと思います。

 

4月から新しい学校やクラスに慣れて疲れが溜まっている人もいるのではないかと思います。この夏休みを機に、植物を育てて心を癒してみませんか?

 

当研究所では、小学生から20代の不登校やひきこもりの方を対象に、ファームセラピーやさまざまなイベントも行っております。ご興味のある方はぜひ研究所のホームページやブログなどをチェックしてみてくださいね。

 

参考文献:

・日本園芸療法学会「園芸療法とは」(https://www.jht-assc.jp/horticulture/)

・兵庫県立淡路景観園芸学校「園芸療法とは」(https://www.awaji.ac.jp/htcp/about

・兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科(専門職)開設記念リレーコラム

 最終回「臨床心理士からみた園芸療法」天野 玉記

https://www.awaji.ac.jp/gs-ldh/project/teachers-column/part1-2-3-4-bangaihen/part2/final)

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