先日、免許証の更新のため、忙しいスケジュールを調整して警察署へ。受付の段階で免許証を忘れていることに気づきました。当たり前ですが、免許証がなければ更新もできず、何とも言えない疲労感で帰宅の途につきました。しょぼしょぼと肩を落としていたのですが、眩しい光に空を見上げ、ほっと一息。近くにあったカフェに入り、冷たい飲み物を飲むと、ふと、「最近、忙しかったな。こんな時間が欲しかったな」と頭に浮かんできました。帰り道は不思議と頭がすっきりして、以前よりも注意深くなったし、できない時には無理しないことを心掛けるようになりました。
さて、私に何が起きたか、お分かりでしょうか。心理療法の技法の1つに「リフレーミング」と言われるものがあります。「フレーム(枠組み)を変えて、他の枠組み(見方)をすること」です。例えば、山登りしていて、半分までの行程にさしかかった時、「まだ半分しかきていない」と捉えるのと「もう半分まできた」と捉えるのでは感じ方が異なるのではないでしょうか。
リフレーミングには、「状況のリフレーミング」と「内容のリフレーミング」というものがあります。「状況のリフレーミング」とは、その場の状況が違えば、どうか?という視点で考えます。先の私の例でいえば、「免許証を忘れてしまった」→「がっかり」、リフレーミングして、「近くのカフェでお茶する時間ができた」→「のんびりできた」というように。また、「内容のリフレーミング」とは、そのことがどんな意味を持つのか?どんな役に立つか?という視点で考えます。先の私の例でいえば、「免許証を忘れたことによって、最近の自分の状況を鑑みる機会になったし、忘れ物に注意深くなり、忘れ物をしないよう日頃から生活自体を見直そうとも思えた」となるでしょう。
もう一つ思い出したことがあります。我が家の息子は、落ち着きなく常に動き回る。そしてすぐに手を出したがるのですが、見る方によっては、「物怖じしない、意欲的な子」と映るようです。”物は言いよう”と聞き流していましたが、そのように見てみると、わが子の意欲をどう伸ばしていってあげようかと協力的な気持ちになることにも気づきました。
このように、リフレーミングを自分のことについてもそうですが、他者への評価に使ってみると、普段の対人関係が変わってくるかもしれません。ぜひ、試してみてください。