「あなたは今、心に決めていることがあるかもしれませんが、突き進めて良いのか迷っているのではないですか?」このような占いの言葉に、“当たっている!”と思ったことはありませんか?占いは時に私たちの心を見透かされているような気がして、つい全てを信じてしまいます。しかし、なぜ多くの人が占いの結果を「自分だけのこと」と感じ、信じてしまうのでしょうか?
その背景には「バーナム効果」という心理的現象が関係しているようです。バーナム効果とは、誰にでも当てはまるような曖昧な情報や説明に対して自分のことを指していると感じてしまう心理現象のことです。この心理現象の名前は、心理学者のバートラム・フォアの実験に由来しています。フォアの実験では、誰にでも当てはまるような文章で作成された同じ内容の「性格診断結果」を複数の学生に配布し、その結果が自分の性格と合っているかどうかを質問しました。すると、学生たちの多くが「驚くほど正確に合っている」と感じたのです。このようにバーナム効果が働くと、自分のことを的確に言い当てられたように感じ、信じてしまいます。占いでは「あなたは時々不安を感じることがありますね」「あなたは優しさと強さを持ち合わせています」といった、誰にでもあてはまるような言葉がよく使われます。こうした曖昧な表現によって、バーナム効果が生じて「まさに自分のことだ」と感じ、占いを信じてみようと思うのだと考えられます。占いを信じることで「自分のことを理解してくれている」・「この占いの言う通りにしてみよう」と安心を感じ、道しるべとなってくれることもあるでしょう。
占いには前向きな言葉が多く含まれるため、気持ちが高まり、前向きな行動を取るきっかけになることもあります。しかし、信じすぎると、バーナム効果によって自分の判断力が揺らぐこともあるかもしれません。「バーナム効果」を知っていると、占いを冷静に楽しむ視点が持てて、自分の気持ちを軽くするために占いを活用してみようかなと思えるのではないでしょうか。
占いの言葉は心のサポートとして受け入れつつ、あくまでも参考程度にとどめ、自分の本当の気持ちを大切にしましょう。占いは、人生の楽しみの一つとして取り入れると、日々の生活に彩りが加わり、軽やかな気持ちで過ごせるかもしれませんね。