心理学

2024年度『相談室だよりあおぞら』No.5を発行しました

東京教育カウンセリング研究所では、東京文理学院の生徒に向けて定期的に『相談室だよりあおぞら』を発行しています。
昨日発行したNo.5は、「集団の力を活用しよう!」がテーマです。

【相談室だよりあおぞら No.5】

後期が始まり、体育祭、文化祭と学校行事が続きますね。高校生活の思い出となるように応援しています。体育祭、文化祭といえば、「みんなで一致団結」と集団での活動となります。「集団行動は苦手~」という人もいるかもしれませんね。今回は集団の力についてポジティブな面を紹介します。

今後の行事に臨むにあたって参考にしてみてください。

 

集団の力を活用しよう!

まずは、人が集団に属するとどんな作用が生じるか、2つの事柄を紹介します。

役割期待

集団において、何らかの地位(立場)や役割が与えられ、ふさわしい行動を求められること。地位(立場)や職業、親子関係など、さまざまな類型があります。いわゆる「〇〇らしさ」に近い概念です。

また、不思議なもので、人は役割を与えられると、その役割にふさわしい行動をとるようになります。役割を「演じる」うちに、自分の言動に注意を払うように意識が変わっていくのです。これを「役割効果」といいます。

集団同一視

ある集団に所属することが心地よく感じられると、その集団に対して親愛の情を抱くようになります。やがて「集団=自分」と考えるようになります。これが「集団同一視」と呼ばれる状態です。

贔屓(ひいき)にしている野球チーム、サッカーチームの上着を着て、応援歌を大熱唱し、まるで自分が試合に出ているかのごとく、感情を露(あら)わに喜んだり、落ち込んだりという姿は、まさに、「集団同一視」が働いているのです。

  • 役割期待は過度になると、プレッシャーやストレスになるでしょうが、適度であれば、役割に近づこうとすること(役割効果)で、自己研鑽(けんさん) にも繋がります。
  • 集団同一視は過度なライバル意識となり、不要な対立を生むこともありますが、適度なライバル意識であれば、結束力、団結力 となります。

 

🌀それでも集団活動は苦手・・・・・という人には🌀

しなやかマインドセット という言葉は知っていますか?「自分は成長できる」と失敗や挫折から学ぶ姿勢、心構えのことです。

「しなやかマインドセット」を身につけていると、自分を向上させることに関心を向け、結果がどうなろうとも、今力を注いでいることそれ自体に意義を見出すことができ、何事にもモチベーションを持って取り組めるのです。

体育祭、文化祭は苦手だな~と思っている人も、「しなやかマインドセット」風な思考に切り替え、「普段の授業とは違う経験だからこそ、新たな自分の関心や強みが分かる!」「うまくいかなくとも得るものはある!」と取り組んでみるのはいかがでしょうか。

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