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つる植物

夏は植物にとって大きく成長する季節です。中でも、つる植物の成長の早さは目を見張るものがあります。つる植物と言えば、朝顔やキュウリやインゲン、スイカやカボチャやゴーヤなど夏の象徴の花や野菜もあります。身近には線路わきの土手等に、うっそうとした緑が見えます。ほとんどが「クズ」です。人が住んで居なさそうな家をこんもりと覆っているものもあります。

クズは、マメ科クズ属のつる性の多年草で日本原産の植物です。日本では、根から葛粉や漢方薬(葛根湯)が作られ、花は万葉の昔から秋の七草の一つです。葉は家畜のえさになり、つるは天然繊維の材料にもなりました。

しかし、それは里山が管理され昔ながらの生活が営まれていた頃の話です。現在は、山林や畑や建物の管理をする人間には厄介者の雑草として扱われています。

クズの他にも、ヤブガラシ、ヘクソカズラ、カラスウリ、ガガイモなど図鑑を見ると見たことのある植物がそこかしこに育っていることが分かります。

今では厄介者のつる植物ではありますが、夏の時期の成長は植物の生存をかけた生命力を感じます。人が熱中症になってしまう暑さ続く中で、葉を広げつるを伸ばしぐんぐんと生活圏を広げていくパワーは地球に住む同士として、ある種の尊敬を感じてしまいます。ですが、人の生活圏であれば、安全面や衛生面での管理は必要になるでしょう。

時代や住居環境が変化しているとしても、雑草と言われる植物と人との関係性は変わりなく続いていくのだろうと、いつまでも暑い日差しが続く中で、小さな庭の草をむしりながらふと思いました。

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