日々のこと・その他

はな(さくら)の終わり、物事の終わり

今年は、3月終わりから4月初めに急激に寒くなったおかげもあって、桜を楽しめる時間が長かったですね。さすがに、4月も半ばになると、都内の桜の木も葉っぱが目立つようになってきたでしょう。ところで「桜の咲き終わりをどう表現する?」と聞かれたら、多くの人は「散る」と答えるでしょう。では、他の花はどうでしょうか。

「椿」-「落ちる」、「梅」-「こぼれる」、「牡丹」―「崩れる」、「菊」ー「舞う」というように、花の種類によって、咲き終わりの表現がこんなにもあるのです。

日本語の表現の豊かさとともに、日本人の心、風情を感じますね。絢爛に咲きほこる花に感動するだけではなく、その終わりゆく儚さ、「もののあわれ」を大切にしてきたのでしょう。

さて、4月から新生活もスタートしたところですが、以前の環境、人、物事とはどのようにお別れしてきたのでしょうか。

カウンセリングでは、”終結”ということをとても大切に考えます。カウンセラー、クライエントともに、これまでのことを振り返りながら、”別れ”に向けて、エネルギーを注ぎます。お別れ下手な人ほど、ここでは難航するものです。

でも、ふと考えると、出会いがあれば別れがある、それは自然なこと、花が咲き、終わりがくるように。風に舞う花びらを見て、「さびしいな」と呟けるくらいに終わり(別れ)を味わうことが自然であるのかもしれませんね。

新生活が始まって、どこか心残り、寂しい、そう感じるのは自然なことです。早く切り替えなきゃと無理せずに、「もののあわれ」を感じながらゆったり過ごしていくのはいかがでしょうか。

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