「ウェルビーイング」とは「Well(よい)」と「Being(状態)」からなる言葉です。WHO(世界保健機構)では、ウェルビーイングのことを「個人や社会のよい状態。健康と同じように日常生活の一要素であり、社会的、経済的、環境的な状況により決定される」と紹介しているようです。「よい状態」ってそんな曖昧な・・・ですね。このウェルビーイングには、「主観的ウェルビーイング」と「客観的ウェルビーイング」があり、「主観的ウェルビーイング」は、一人ひとりの認識や感覚で見えてくるもの、例えば、「人生への満足感や幸福感」「生活への自己評価」などでしょうか。一方、「客観的ウェルビーイング」は、平均寿命や生涯賃金、労働時間や有休取得率など統計的に数値化されるものと考えられます。
さて、この「ウェルビーイング」が注目されてきた背景を見てみると、かつては、「経済的な豊かさ = 国民の幸せ」という考えでした。しかし、いくら国の経済成長があったとしても、生活者の生活が豊かであるとは限らない。毎日仕事に追われ、休日といえば疲れ果てて寝ているだけという生活を想像していただければ、ピンとくるでしょうか。そのことに注目し、まず客観的なウェルビーイングを測定する指標として、平均寿命、教育水準、国民一人当たりの所得など数値化できる物差しが登場しました。そして現在は、「物質的な豊かさ」よりも「実感できる豊かさ」へという価値観のシフトがあり、主観的ウェルビーイングを測定する物差しの活用という動きになってきているようです。
ここで、主観的なウェルビーイングって測定できるの?という疑問が浮かびますね。できるならぜひ自分も測定してみたい!ですよね。主観的とあるように、ウェルビーイングには個人の感覚によるものが大きく、測定となると、様々な観点と測定法があるようです。いくつかご紹介しますので、気になった方は検索してみてください。「キャントリルの梯子法」「人生満足度」「幸福度診断」などが代表的な測定法のようです。
また、これを機会に、自分にとっての「ウェルビーイング」を考えてみるのはいかがでしょうか。難しく考えず、「楽しいと感じる時間あるかな」「夢中になってしまうことあるかな」など今の生活を点検してみてください。あまりそのような時間がとれていないならば、まずはそこに気づくこと、そして意識を向け続けることで、自然とウェルビーイングな状態に近づくのではないかと思います。また、家族や友人などに話してみて、周囲のウェルビーイングを真似てみるのもいいかもしれませんね。
ちなみに、私は先日、ある映画を見て、その美しさに魅了され、友人と「いつか時間を作って歌舞伎鑑賞に行こう!」と約束しました。子育てで時間に追われ、時間がないと決めつけていたのですが、これを機会に、自分の楽しみが見つかりそうです。
ぜひ、皆さんもウェルビーイングについて考え、一歩踏み出してみてください!