スマートフォンをほとんどの人が持ち、学校でも小学校から一人一台のタブレットを利用し、調べたいことは瞬時に答えに行きつく時代になりました。それはそれは便利な物が身近になりました。調べることや知識を得ることの時間が短縮され、さて私はゆったりした時間を過ごせているのだろうかと疑問に思うことがあります。
便利な道具は、生活に気持ちのゆとりを作り出すためにあるのではなかったのだろうか。そうなっていれば良いことですが、ついついスマホを片手に動画やゲームをしていたりして、時間を溶かしてはいないだろうか。おまけに、長い文章を読むことに苦痛を感じたりしてはいないだろうか。自己嫌悪を感じることもしばしばです。
小説や漫画もスマホで読める時代になりました。それは便利なことだろうし、紙の本が増え続けるということもなくなります。しかし、私は紙の本を手に取ることをやめることができません。電車に乗る時も、本を読むことに決めました。以前からの習慣ではありましたが、スマホを手にした頃から、明らかに本を読むスピードが遅くなっていたことには薄々気づいていました。気づかないふりをしていたというほうが正しいかもしれません。本は好きなので、積読状態でたまっている本を2冊ほど鞄に詰めて持っていきます。紙の本の良いところは、紙の触感、どのくらい読んだかを体で感じられるところ、ページを繰り返すこともすぐにできること、本を作っている人たちの気持ちが紙の質感や色見やデザインから感じられること。ある種のコレクションなのかもしれません。紙の本に戻ることで、少しずつ自分の生活を見直すこともできるようになってきたような気もします。そんな時、古本屋を舞台にした漫画に出会いました。ますます、紙の本が愛おしいと思うこの頃です。明日も、本を鞄に入れて出かけます。鞄が少し重くなるのだけが難点ですね。