日々のこと・その他

金木犀(キンモクセイ)の実

11月になり、あれほど暑かった日々がやっと終わったのだと心身ともに秋を感じるようになりました。

時期的にはすっかり過ぎてしまったのですが、10月の半ば頃にはあちらこちらで金木犀の香りがして「まだ今年は暑いけれど、秋の気配はしてきたのだな」と感じ入りました。金木犀という存在を知ってから、何十年も経つ私ですが、「毎年あれほどたくさんの花と木を見ているのに、実って見たことがないな」とふと思うことがありました。私は、植物は好きな方で、特に自然の野山の植物相には興味があり、東北から関東へ来ることになった時に、身近に生えている植物の違いを興味深く感じたものです。そういえば、山には金木犀が生えていません。田舎に行くと山にあると思っているものは、多分以前そこに人が住んでいたあとだと思います。

みかんや柿やユズ、ほとんどの木には実がなります。ドングリも毎年実を落とします。しかし、金木犀はご近所の庭から学校・公園などいたるところで木を見かけ、花の終わりごろはオレンジ色の小さい花をたくさん落としているのに、実を一度も見たことがありません。と言うことに、何十年も生きていて初めて気が付きました。ちなみに、花が白っぽい銀木犀(ギンモクセイ)にも実が付くところは見たことがありません。

気になって調べてみました。

中国原産。日本には江戸時代に雄株だけが渡来した。実を結ばないため、挿し木で北海道と沖縄以外の日本中に増やされた。雌雄異株の植物で、日本では花付きの良い雄株しか移入されていないため、中国まで行かないと実を見ることはできない。雌株は冬にクコの実ほどの小さな実をつけ熟すと紫色になる。

なんと、金木犀の実は日本では見ることができないらしいのです。身近にある毎年見ている花一つとっても、知らないことが沢山あります。いつか、中国へ行って、金木犀の実を見てみたいものです。山に自生しているなら、どんなところに生えているのかも気になるところです。

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