カウンセリング

心の非常口を作る

今年度も残すところあとわずかとなりました。少しずつ新年度に向けて準備を進めている頃でしょうか。この時期は新年度への期待と不安から、気持ちが大きく崩れることが多いとされています。

さて、建物には必ず、災害が起きたときに脱出するための非常口がありますね。これは私たちの命を守るために必要なものです。気持ちがガタッと崩れてしまったときのために、心の逃げ道ならぬ「心の非常口」を作っておくと安心かもしれません。

では、具体的にはどんなことが挙げられるでしょうか。辛いとき・苦しいときには「その場から離れてもいい」「休んでもいいんだ」という選択肢を自分の中で持っておくのもいいでしょう。「まあいいか」と声に出してみるのもいいかもしれませんね。

もちろん、自分が頑張れそうなときには頑張ってみてもいいと思います。しかし、これ以上頑張ってしまったら自分が壊れてしまいそうなときもあるでしょう。そんなときにはその苦しい場所から離れてみるのも1つの手です。離れてみると、今まで考えつかなかったような解決法が浮かんでくることもあります。

先日、ネットで『三十六計逃げるに如かず』ということわざを知りました。これは「たくさんの戦略があるが、困難なときには逃げることが最上の策である」という意味です。「逃げること」も「立派な戦略」なのだと考えると、なんだか良い方法のような気がしてきませんか?しかし一方で、「逃げる」という言葉に抵抗がある人もいるでしょう。逃げ道というよりも、命を守るために必要な「非常口」なのだと考えると抵抗が少なくなる気がします。

今月は「自殺対策強化月間」です。「心の非常口を確保しておく」ことも対策の1つになると思います。苦しいときには逃げていいのです、休んでいいのです。自分の「心の非常口」を確保しつつ、今より少し楽な気持ちで新年度を迎えられたらいいなと思っています。

参考URL:

・無印良品 くらしの良品研究所 コラム『逃げる力』

(https://www.muji.net/lab/living/170405.html)

・政府広報オンライン「月間・週間」-令和6年(2024年)3月-「自殺対策強化月間」

(https://www.gov-online.go.jp/data_room/calendar/202403/event-2362.html)

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