日々のこと・その他

トチノ木

9月のある日、栃木県那須町某施設の駐車場にトチノ木がありました。東北出身ですが、身近にトチノ木は無かったので、鈴なりのトチノ実を見るのは初めてでした。木の下にはたくさんの実が落ちています。

離れたところから見た時、実が鈴なりになっている木(鈴なりとはまさにこれであろう、たわわとも少し違う感じ)は何だろうかと思いました。クルミとは実のなり方が少し違う、スズカケの木とは葉っぱが違う、はて?はて?と近くに寄ってみると、落ちている実をみて「トチノ木だ」と分かりました。実だけ数年前に見たことがありました。

小学校の頃、国語の教科書に「モチモチの木」という単元があったことを覚えている方もいらっしゃるのではないかと思います。その中に、臆病な豆太が勇気を奮い起こして、夜にじいさまのために医者を呼びに行く時に、モチモチの木は月を背に輝いていたという描写があるのですが、鈴なりの実を見た時に「月の光を反射して光って見えるかもしれない。そういう現象のことだったのかもしれない。」と思い至りました。小学生当時、面白いとか感動したとか全く思っていなかった「モチモチの木」何十年の時を越えてやっと物語の意味が分かったという少し情けない話でした。

トチノ実は、とち餅の材料ですが、あく抜きがとても大変です。縄文時代から食べられていたらしいのですが、あく抜きを発見した人の知恵に感心します。見た目はクリに似ていますが、アクが強すぎて虫もなかなか寄らないとのことです。クリやドングリを置いておくと、虫が発生しますが、トチノ実は大丈夫とのこと。珍しいので、少しいただいて相談室に置いてみました。ツヤツヤした実がさやに入っています。

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