心理学

よりよいコミュニケーション Part1

新年度が始まって、2ヶ月半ほどが経ちますね。新しい環境にもなれ、周りの人との関係も深まってきた頃でしょうか。周りの人との円滑なコミュニケーションこそ、今後の仕事や学業の成果に大きく関わってくるでしょう。

このブログはスタッフ数名が交代で書いていますが、今回から数回にわたり、筆者の担当回はより良いコミュニケーションのヒントになるようなお話しをしたいと思います。

参考にするのは、アメリカの精神科医、エリック・バーンが創始した「交流分析」という心理学です。「交流分析」の理論や技法は、自己理解を深め、健やかな人格への変化を促したり、自分と他者との交流(コミュニケーション)に着目し、円滑で健やかな交流を目指したり、自己実現を促すために活用されています。

第1回目は、より良いコミュニケーションをとるために、「自分のこころの状態を知る」についてお話ししたいと思います。

「交流分析」では、人のこころを「自我状態」という3つの領域で考えます。親(P:Parent)と大人(A:Adult)と子ども(C:Child)です。さらに親(C)に2つの機能(CP・NP)と、大人(A)と、子どもにも2つの機能(FC・AC)の5つの機能があると考えます。おのおのの機能についてですが、まず、CPは、社会的規範を守ったり、批判的な構えが強く、NPは「相手を褒めたり、労ったりという構え」をとります。次に、Aは、「現実的な問題に対して、冷静に対処するなど、事務的で機械的な構え」をとります。最後に、FCは、「自由奔放であり、感情表現も素直な構え」をとり、ACは、「周りを見て同調的、協力的な構え」をとると考えられています。

どの機能が強いか弱いかでその人らしさというものが出てくるのですが、年齢や環境により変化があるともいわれています。ちなみに、「エゴグラム」という質問に答える形式の心理検査では、5つの機能がグラフ化されて見られます。その中でも、NPの高さは人への優しさであり、同時にFCが高いと素直で感情の豊かさを表し、またACの高さも人への同調を示すなどどれも人間関係を維持したり円滑にしたりすることに関わってくるでしょう。

何事も、まずは“気づき”が大切です。興味のある方は、ぜひ、ネットなどでエゴグラムを探して試してみてください。

次回の筆者担当回は、こころの3つの領域による実際の交流(コミュニケーション)についてお話しします。

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